今回は低温環境下でステンレスベルトを使ってみたいとお問合せを頂きましたので、ご紹介します。
用途は冷凍食品の製造ラインです。
現在お客様は、冷凍コンベヤ(金網)から出てきた製品を受けるコンベヤとしてプラスチックモジュールのベルトを使用されていますが、冷凍コンベヤの冷気(-40℃)によってプラスチックモジュールが1~2カ月程で割れてしまうため、ステンレスベルトで寿命を延ばしたいとお話を頂きました。
確かにプラスチックよりステンレスの方が冷気にも強く、使って頂ければ長寿命化できたと思うのですが、プーリ径が大きく取れなかったため、今回はお役に立てませんでした。
ところで皆さん、ステンレス(金属)も樹脂程ではありませんが、冷気に弱いことをご存知ですか?
金属も低温環境下では、収縮(体積が減少)したり、極低温では脆くなり割れる可能性がでてきます。
先日のドライアイスのテスト「低温時(-79℃)のステンレスベルト」で金属が歪んだのは、局部的に収縮を起こしたことによる歪です。
また、有名はタイタニック号の沈没事故も使用しているリベットが低温脆性をおこしたことが、沈没の一つの原因と言われております。(リベットの材質も不純物が多い粗悪品だったことも影響している可能性があります。)
タイタニックの沈没について詳しく知りたいかたは(日本機械学会 失敗の原因をしつこく考えよう-100年前のタイタニック号沈没事故を例にとって-)をご覧ください。
以上のことから、ステンレスベルトでも低温時の使用は細心の注意を払う必要があります。
もし低温環境でご使用をご検討されている方は、お気軽にお問合せ下さい。
当社では皆様からのテストを募集中です。こんなテストをして欲しいなどご要望頂ければ、テストをおこないますので、お気軽にご連絡頂ければ幸いです。
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