今回は以前ご紹介した、【スチールベルトが使用される理由 画像検査装置】で触れました、光の乱反射防止用のコーティングの一つ、低温黒色クロム処理についてご紹介します。
スチールベルトへの低温黒色クロム処理は比較的古く、20年以上の歴史があります。
初めて処理をしたのが、コンデンサーの検査用としてスチールベルトの絶縁被膜として製作しました。
最初はベルトに開けている穴の周辺でスパークをおこしたり、折れたりと苦労しましたが、今では安定してベルトに処理をすることが出来ます。
上の写真のベルトは、0.1㎜×100㎜×2800mの表面に低温黒色クロム処理をした物です。
用途は露光装置内で使われました。
光の乱反射を嫌い、ベルトのわずかな曲がりや歪が許されないため、高い品質管理を要求されましたが、上のベルト写真のように歪なく処理を行い、お客様から高い評価を頂きました。
その他に使用されている業界は、光学関連、液晶関連、半導体関連などがあり、低温黒色クロム処理の特性から、光の反射を嫌う用途が多いです。
スチールベルトは薄く長いため、処理の際に気を抜くと、すぐに曲がり、折れ、打痕が入ってしまうため、加工時の取り扱いは他の製品にはない難しさがあります。
そのため、取り扱いの際には細心の注意を払うことが大事ですが、もう一つ大事な要素があります。
それは、処理をおこなうための槽が大きいことです。
なぜならば、小さい槽ではベルトを小さく巻く必要性があり、これがベルトに大きな負荷を与えるため、品質の低下につながるからです。
当社が使用する槽のサイズは1900×400×1400が一つ、1800×1500×300が一つになります。
当社では板金部品、切削部品にも低温黒色クロム処理をおこなっています。
材質は、ステンレス、鉄、銅、アルミ、その他金属に加工が可能です。
処理の目的は、光の反射防止、防錆効果、が一般てきですが、フッ素が含ませることで、高い摺動性を持たせることも可能です。
大きい物を加工したい、品質を向上したい、納期を短くしたい等、低温黒色クロム処理でお困りのことがありましたら、当社でお役に立てると思いますので、一度ご相談下さい。
お問合せ |
TEL:045-624-9127 |